ビートのディシプリン完結

ビートのディシプリン〈SIDE4〉 (電撃文庫)

ビートのディシプリン〈SIDE4〉 (電撃文庫)


ピート・ビートの成長、カーメンの謎。


イナズマvsフォルテッシモ。


フォルテッシモvsピート・ビート


リキ・ティキ・タビ…モーニング・グローリー…天敵…


アルケスティス、ヴァルプルギス…炎の魔女



感想と印象。
これからディシプリンシリーズを読む人は避けた方がいいかも。
ブギーポップシリーズを読んでいる人なら既に気付いている事でもあり、読まなければわからない事でもある。

とりあえずネタバレはしてると思う、けど、それを言葉や文章で知った所で何がわかるのだろうか。




カーメンの存在、概念、真実、それは正に今の俺が最も重要視している「同調」や「共感」に通じる物なのだと思う。
自分をわかってほしい、知ってほしい、相手の事を知りたい、それは全て自分を知る事。
それは言葉や頭で考えても決してわかる事ではない。
体験、体感、経験し、それを実感しなければわからない物なのだ。
人と人とがわかり合う事、自分をわかるという事はそういう意味で決して不可能な事であり、そしてまた既に出来ている事でもあると思う。
わかる必要等もなく、物事の本質さえ見抜ければそれは「わかる」「わからない」以前に「感じる」物だから。


それはある意味で困難な感覚でもあり、モーニング・グローリーのような能力がなければ感じられる人は皆無なのかもしれない。
スリー・オブ・パーフェクト・ペアー。
既にそこにあり、また誰もが気付いていない、気付く必要がないのか、あるのか、それはその人自身にもわからないのかもしれない。


ロックン・ロールとかけたカーメ・ン・ビートというフレーズは「なるほど、これを言いたかったのか!」という印象。
凄く納得させられた。
だから主人公がピート・ビートである必要があり、彼の能力がなければこのフレーズはこれほど説得力はなかっただろう。


それはそれとして浅倉朝子が世良稔の前ではツンデレと化している件についt




ヴァルプルギス。
アルケスティスと対になる存在。
指輪。

そして、炎。



いよいよ彼女が真実に主人公として還ってくる事を感じさせる伏線の張り方にゾクゾクワクワクした。
確かに今までの彼女も主人公足り得た立場ではあった。
しかし今までの彼女ではまだ足りない、まだ追いついていない物があったのだ。

ピート・ビートに課せられたディシプリンはここで一先ずの幕を下ろし、そして全てが繋がり、また全てがここから始まるのかもしれない。


霧間凪炎の魔女
ある意味ではこの全ての物語は彼女から始まったのかもしれない。
そして投げられた矢は彼女の胸に還ってきた。
文字通り、胸に。


新シリーズの幕開け。
魔女の物語はこれから始まる訳だが、仮にこのシリーズを「魔女シリーズ」と仮題した場合、次回作の発刊は10月末になるのだろうか。
ハロウィーンに合わせてウィッチの物語を始めるお茶目な事をしてくれるのか、それともワルプルギスの夜にあやかって五月祭に合わせてお披露目をするのか、上遠野浩平氏の作品には常に期待させられる。



…て、五月祭に合わせたら来年発刊だよね!そんなに待てない!!
それともそれまでまた別のミステリ作品を書く予定なのかな。
わー、ほんと、ブギーポップシリーズおもろいね!!
こんなアホ臭い感想書きたくなっちゃうくらいおもろいね!
俺感化されすぎ。上遠野浩平大好きすぎ。